Miles away
初めに言います。大袈裟だって引かないでね(苦笑)感動っぷりに私が一番引いてるんだから!(笑)
嵐ってグループは、もしかして奇跡なんじゃないの・・・?と割と真面目に思ってしまった。ニューアルバム『Are You Happy?』の14曲目『Miles away』を聴いて。
ソロ、掛け合い、折り重なっていくハーモニー。誰がリードとか裏でハモってるとか、そんなん全部どっか行っちゃってる。すごい、なにこの曲。文字通り5人の〝 合作〟なのである。
嵐さん、歌が皆それぞれに上手いことは知ってる。それでも得手不得手とか、キャラ分けみたいなとこはあって、役割がきっちり分かれた上での5人と思ってたし、むしろそこが持ち味だし、聴きどころだと捉えてた。
でもこの曲は、今までの「それぞれのいちばんいいところ」が、ちゃんと発揮されつつ、新しい側面も覗かせてる。各メンバーが歌うソロパートは、間違いなく私が感じる、それぞれの一番好きな響きだ。大野さんが歌割りを考えたという。好みを共有できたみたいな錯覚に陥る。ニヤける。
出だしの翔様、優しさと大きさを感じる。包容力からいったらこの人が断トツだ。1番と2番の繋ぎ部分「重なるフレーズ」では、空気をいっぱい含んだ清涼感溢れるボーカルが冴えてる。(勝手に〝 エアリー翔様〟って呼んでる)追っかけで入ってくるバスドラムが実に感動的。
他、都会的な憂いのある相葉さんの低音。圧倒的勇者感を醸し出す(笑)二宮くんの高音ロングトーン。単純な3音の組み合わせだけじゃない難しい展開のものも色味をリードに合わせながら完璧に歌う下ハモリの松潤。どれも私が感じる嵐の魅力が存分に詰まっている。
そして大野さん。「幾千の夢」ってとこ素晴らしい。前作の「僕らがつないでいく」のソロパートでも感じたが、鮮やかさや艶感に加えて「凄み」とか「力強さ」が一段と増してきた気がする。もはや「王様なの・・・?」とか思ってしまう(笑)無条件に平伏してしまうような歌声の力。オーラ。こういうスケール感のある曲に合わせたときの説得力ったらない。シンガー大野智の進化はまだ続いている。
二宮くんとのハイトーンの掛け合いたまらない。ひと粒で二度美味しいどころの騒ぎじゃない。ファンが「こんなこといいな、出来たらいいな」と一度は夢見たやつだ。初聴きした時「うわ、やば!!」と叫んでしまった(←しょっちゅう家で叫ぶw) キーはあくまで私の耳での話だけど、ご本人達が地声で出せる最高音だ、贅沢すぎる。ありがとうありがとう。
歌の盛り上がり的にはこの二宮大野の掛け合いがピークなんだけど、実は最大の感動ポイントがこの先に待っていた。掛け合いの後、メインのメロディ担当が松本相葉の2人になってる!そして他の3人が完璧なまでに裏に徹したコーラスをしてる。いやたまげた。嵐というグループは、歌においてはどこまで行っても大野智をメイン(メイン・・・というか、食物連鎖の頂点みたいなイメージ?)にした成り立ちだと思ってた。私の中では5人でユニゾった時に、調和の一番外側、歌声全体をコーティングするようなイメージで響くのがリーダーの声だったから。この先どんなジャンルの歌が来ても、そこは揺るがないし、いや揺らぐとか、そういう〝 想定〟自体が無かったのだ。
何をどう歌っても、そこには必ず大野智がいる。そういう心持ちでこれまで聴いてきたが、あっさりと覆された。このラストにかけての部分、いわゆる「智み」はどこにもない。こんなことが可能だなんて。なんなの智どういうことなの智。ジャニーズwebの座談会で「ディレクターさん達が斬新さに不安がってた」って言ってたの、ここのことじゃないだろうか。ホント、すごく斬新。そして一般的なイメージとして、あまりフロントに来ることのない二人が実に美しくメロディを添えていることが本当に嬉しかった。ヤバい、超好き、嵐が大好き。
これに限ったことではないが、私は表現という分野においてクリエイターと「優れたパフォーマー」は必ずしも一致しないという持論をぼんやりと持っている。そして、大野さんはあくまで〝職人肌〟の人で、あまりプロデュースとかそういうことに興味自体なく、また拘る人ではあるけれども、それは歌においての技術論にもっぱら特化したものだと思ってた。
そこも今回は覆された。大野さんだけじゃない、5人がこれまで歌ってきた経験をちゃんと糧にしてきて、どう生かし、どう広げていくか、それがビジョンや方法論として咀嚼されたカタチでちゃんと彼らの中に根付いている。この「作り手」としての意識の高さに驚くとともに、誰かが「こんなのどう?」って提案したら、微塵の狂いもなくそのカタチ通りに表現してみせるレベルの高さ。ねえ、もはや全然アイドルとかじゃないんですけど!!彼らが創作活動において何を考えているのか、もっと知りたいと思いつつ、理屈ばった解説が彼らから発せられることはあまりない。チラ見せがせいぜいだ、多くは語らない。スタンスはあくまでアイドル。頭でっかちになるより、結果として夢を見せるほうが大事なんだ。そんな彼らが最高にクールでカッコいい。何遍言ったら気が済むんだ、大好きだ(笑)
『Are you Happy?』答えはもちろん Yes だが、もっと聴き込んで彼らの提示する〝幸せ〟 を味わっておこう、余す事無く。